講座(研究室)の概要
当科は平成18年9月1日に血液・腫瘍内科と臨床腫瘍部が統合され、「腫瘍・血液内科」として新たに講座として設置された。当教室の源流は、血液診療を展開した旧第2内科血液班、旧第3内科臨床血液研究室、旧青戸分院内科血液研究室、旧第3分院内科に見ることができる。昭和51年4月に旧第3内科に臨床血液研究室が開室し、その後臓器別診療体制への移行に従い、旧第2内科、旧青戸病院内科、旧第三病院内科、旧柏病院内科の血液グループが参画し、血液・腫瘍内科を形成した。平成14年4月にこの血液・腫瘍内科から固形がん診療の臨床腫瘍部が一時分派したが今回再統合された。各病院、各講座の特色を継代しつつ一丸となり調和協同して現在に至っている。良性・悪性の血液疾患、固形がんの診療・研究・教育を行っている。 |
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腫瘍・血液内科 教授 矢野 真吾 |
医学科教育について
良性・悪性の血液疾患や固形がんを教育目標としている。悪性腫瘍の制圧は、21世紀最優先課題であり、分子レベルでの本態解明も漸進している。こうした背景に鑑み、将来臨床医・研究者となるのに必要最低限度の素養を開発啓蒙すべく血液学、腫瘍学の基礎的事項の理解を促している。そして科学の進歩のみに依存することなく、患者さんの内面にも接遇する臨床実習を図っている。臨床医学は実学であり、高木兼寛学祖のお言葉にあるように「病気を診ずして病人を診よ」をベッドサイドで体感させている。
大学院教育・研究について
悪性腫瘍および造血器腫瘍治療学総論、悪性腫瘍治療学特論、悪性腫瘍治療学演習などを通して、悪性腫瘍、造血器腫瘍の細胞生物学的、生化学的、分子生物学的、細胞免疫学的特徴を理解し、腫瘍を総体的に理解することで個体に起こる生命現象を広い視野から捉え、治療介入研究などを学ぶ。
講座(研究室)からのメッセージ
悪性腫瘍の発生、進展、遺伝子診断、がん化学療法、がん薬物療法(ホルモン療法、分子標的療法)、手術療法との複合療法、放射線治療との複合療法、いわゆる集学的治療、免疫療法、遺伝子治療などの基礎から臨床までの幅広いバラエティーに富んだ診療・研究が講座のテーマである。21世紀の臨床腫瘍学に取り組む若い医師・研究者の参入を期待している。